磯田，オブジェクト指向モデリング，コロナ社，1998

• ユースケースで表現された仕様書に基づいたオブジェクトモデルの設計
• ユースケースに対応する機能クラス（制御オブジェクト）とソフトウエアが対象とする世界をモデル化した通常クラスの明確な分離．（これにより，通常クラスレベルでの再利用性を高める．）
• その他の点ではOMTにほぼ対応している．

• 仕様書からあいまいな個所を特定する．
• 分析者の知識に基づいてあいまいな個所を解釈する．
• 上記の解釈を発注者に示して意見を聞く．

2.1 ユースケース図の作成

• システムが提供する機能を列挙し，ユースケースとする．
• アクターを認識する．
• ユースケースとアクターの関係をユースケース図で表わす．

2.2 ユースケースの初期モデルの作成

• 個々のユースケースを文章とシーケンス図の組合わせあるいは活動図で表現する．

2.3 ユースケースの構造化

• ユースケースの共通機能やオプション機能を抽出して抽象ユースケースとする．
• ユースケースが表現する機能の抽象化を行う．
• ユースケース図を構造化する．

2.4 オブジェクトの識別

• 個々のユースケース毎に1つの制御オブジェクトと１つないし複数の境界オブジェクトを生成する．
• 実体オブジェクトを認識する．

2.5 特殊ケースの分析

• 異常系や例外などの特殊ケースについて同様に分析する．
• 分析結果をオブジェクトの定義に反映する．

3.1 初期クラス図の作成

• 各ユースケース毎に得られたクラスを統合し，クラス図を作成する．
• 関連，操作，属性の整合性を検査する．
• 操作と属性は自然言語で記述しておく．

3.2 モデルの詳細化

• クラスに割り当てられている操作の実現法を考える．
• 単一クラス内では閉じないものについて考える．
• シーケンス図または協調図でメッセージ系列を表記する．
• 初期クラス図の修正

3.3 クラス図の組織化，単純化

• 継承を用いてクラス図を修正する．
• 集約を用いてクラス図を修正する．

3.4 クラス図の見直し

• それ自身の特性を持つ属性をクラスに変更する．
• 他の操作の対象となる操作をクラスに変更する．
• 操作を割り当てられなかったクラスを属性に変更する．
• 区別する必要のないクラスを統合する．
• データ構造の規定にもメッセージ送信のパスにも使われない関連を削除する．

• シーケンス図，協調図，状態図のいずれかを用いユースケース毎に作成する．

質問，コメントは掛下(kake@is.saga-u.ac.jp)まで．